2019年04月

2019年04月01日

ヒトメタニューモウイルス感染症(肺炎、気管支炎)が流行しています

現在、ヒトメタニューモウイルス感染症(肺炎、気管支炎)が蒲郡市内で流行しています。

ウイルスの御説明:
ヒトメタニューモウイルスは2001年になって初めて確認されたウイルスなので(ずっと以前からその感染症はあったのですが)、インフルエンザのようにあまりお聞きになったことはないかもしれません。

このウイルスは、年少児に気管支炎をおこしやすいRSウイルスと同じ仲間であるため、その症状もよく似ています。

感染の時期と年齢:
流行の時期は3月から6月で、潜伏期間は4-6日であり、咳や鼻水等を介して感染します。
感染する方は小児から高齢者まで全年齢ですが、特に1-2歳に多く、2歳までに50%、5歳までに75%、10歳までにほぼ100%の方が感染し、小児の気管支炎や肺炎の5-10%はこのウイルスによると言われています。
また、一度の感染では免疫ができないことが多いため、何回も感染します。

症状:
その症状は高熱と咳および鼻汁で「インフルエンザの発熱とRSウイルスの咳」が一緒になったようになりますので、特に小さなお子さんでは、咳で夜寝られない、咳で嘔吐する(咳上げ)、クループ様の咳(ケンケンというような犬やオットセイの鳴き声に似た咳)、高熱が連日続きます。
そのため症状が強い場合は、点滴や酸素が必要となって入院になる場合もあります。

診断:
インフルエンザのように、鼻の奥に綿棒を入れ、鼻水を採取して検査します。
簡易キットで行いますので数分で結果が出ます。
またこの検査は全年齢で保険が適用されます。

治療:
残念ながらこのウイルスをやっつける薬はなく、予防するワクチンもまだありません。
そのために咳止め、鼻水のお薬、吸入を行い、脱水が強ければ点滴を行い、呼吸が苦しくなると酸素が必要な場合もあります。
またこのウイルス感染に引き続いて、細菌感染症を併発する場合もあり、抗生物質を投与することもあります。

ご心配の症状がありましたら早めの受診をお勧めします。

katokodomo at 09:00|Permalink感染症情報